マンションの耐用年数、答えられますか?
更新日: 2022-10-07現代では当然のように使われているマンション。どんなに堅固な建物でも、いずれは消耗してしまい取り壊されてしまいます。しかし、マンションの耐用年数についてはっきりと答えらる方は少ないのではないでしょうか。法定耐用年数は長いはずの建物が、短いスパンで建て替えられていたり、基準値と実際の値が異なるものも多くあります。
マンションの法定耐用年数と実際の寿命はどう違う?
鉄筋コンクリート造・鉄骨鉄筋コンクリート造のマンションの法定耐用年数は、1998年の改正までは財務省が「60年」と定めていました。マンション=長寿というイメージはこの「60年」に影響されているのかもしれませんね。ただ、60年というのは資産計算のために一律で定められたものだったため、1998年に改正が行われ、2015年現在の法定耐用年数は「47年」となっています(木造、鉄骨造の居住用不動産の耐用年数は、上記とは別に定められています)。
しかし、実際には建て方も住み方も異なるため、鉄筋コンクリート造・鉄骨鉄筋コンクリート造のマンションが全て同じ寿命とは限りません。参考までに、国土交通省が2002年に作成した報告書では、マンションの平均寿命が約46年、建て替えが始まるタイミングは築後37年だそうです。ただし、これはあくまで平均寿命なので、実際はもっと早くに取り壊されたり建て替えられたマンションも数多くあり、逆に同じ時期に建てられたにも関わらず長寿なマンションもあります。もちろんそれには様々な理由があります。
どのような建物なら耐用年数が長くなる?
どのマンションにも、建物の寿命を決める様々な要因があります。劣化のしにくさ、入居後の適切なメンテナンス、設備配管類の管理のしやすさ、地震などの外的要因がなどですね。
特に劣化のしにくさについては、鉄筋コンクリートの劣化がマンション自体の劣化に繋がってしまうため、非常に重要なファクターです。具体的対策として、鉄筋コンクリートの劣化の要因である鉄筋のサビを起こりにくくするため、鉄筋をコンクリートで覆ってあります。
しかし、コンクリートも経年と共に収縮を起こしてしまい、それによって生じたヒビから雨水などが入り鉄筋が錆びていってしまうことで劣化が起こるのです。
そういった鉄筋コンクリートの劣化を起こりにくくする方法はいくつかあります。
1つは水セメント比の低いコンクリート、すなわちセメントの割合が大きいコンクリートを使うことです。水の割合が多いコンクリートは収縮が起こりやすいのでヒビが入りやすくなりまた、必然的に鉄筋のサビを誘発しやすくなります。
もう1つは、鉄筋を覆うコンクリートの厚さ(いわゆる”がぶり厚さ”)を厚くすることです。噛み砕いた説明をすると、丈夫なコンクリートで鉄筋をしっかり覆えば、頑丈で劣化しにくいマンションができる、ということですね。
築30年のマンションが取り壊される理由
前述した通り、2015年現在の鉄筋・鉄筋コンクリート造マンションの法定耐用年数は47年、実際の平均寿命は46年ですが、中には構造躯体に問題がないにも関わらず取り壊されてしまうマンションもあります。
その主な原因とされているのが「設備配管が取り換えられないこと」です。排水管などの設備配管の寿命は25年~30年ほどと言われており、コンクリートよりも寿命が短いのですが、古い時代に建てられたマンションは設備配管類がコンクリートの中に埋められていることが多く、そのままでは配管の取り換えがおこないため、結果的に設備配管類の寿命と合わせて解体又は建て替えを行うこととなります。
耐用年数を延ばすためには設備配管をコンクリートの中に埋めこまず、維持管理が行いやすいようにパイプスペースを確保することも重要です。パイプスペースが確保されていれば、清掃や点検、有事の際の交換などを行いやすくなりますから、行き届いた管理で耐用年数を延ばす事ができるでしょう。
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